ポジティブシンキングという言葉が巷に溢れている時代でした。書店に行っても、「ポジティブシンキングがいかに大事か」ということをうたった本がズラリと並び、事あるごとに、「ポジティブさ」が強調されていました。その頃私は、色々な事を抱え、抱えきれない事柄に押しつぶされそうになっていました。
「いくら、ポジティブにと言われても無理なんだけれど…。」心がそう叫んでいました。かといって、ネガティブに落ち込んでいる訳にもいかない。鼓舞しても、前向きに考えるには、あまりにも心がついていかない。ポジティブという言葉が、窮屈でしっくりこない。そんな時に、このコトバに出会いました。
「ポジティブでもなくネガティブでもなくリアルに！」
当時の私にとっては、ストンと納得がいく言葉でした。そうだ！無理して前向きになんてならなくてもいい、強引にポジティブに考えなくてもいい。今、この現実をただただそのままリアルに受け止めよう。そう思え、とても気が楽になりました。
人はどんなに頑張っても、気持ちを上げられない時があります。そんな時は、無理して前向きになろうとせず、立ち止まって、「時が癒してくれる」のを、待ってもいいのではないでしょうか？そのまま、リアルな現実を無の心で見つめる。そして、ゆっくり回復していけばいいのかもしれません。心と躰がキチンと癒されたなら、またきっと前へと歩き始められると、私は思うのです。
落ち込んで気持ちが萎えたとき、どうしようもなく元気になれないとき、どうぞこのコトバを思い出して下さい。
そこにある現実をそのまま受け止めて、淡々と生きていく強さだけ残っていれば、きっと何とかなるはずです。
