ワイヤレス骨伝導イヤホン。購入当時、画期的な最先端イヤホンでした。
その頃の私は、突発性難聴で右耳が聴こえなくなっていました。右が聴こえなくても左耳があるから大丈夫！そう思いましたが、実際には、片耳での暮らしはかなり不自由で、人の声や周りの音をうまく捉えられず、大変でした。片目だと見えてもちょっと不自由なように、耳も両耳あってはじめて、聞くという役割を難なく果たすのだと、改めて実感しました。
閉聴感は例え難く、今までに経験のない状態で、なんと表現していいのか分かりません。耳が閉じる感じ。音が全く感じられない『無の耳』。周りの話し声を自然に聞き取る事ができなくなり、注意して意識を集中していないと、会話が入ってこない。左耳だけでは、音の完全な感知はできず、もういいやと諦め、だんだんと気持ちも塞いでいきました。音楽が大好きでしたが片耳だけで聞くのはかなり疲れるので、辛くてあまり聞かなくなっていました。
そんな時にプレゼントでいただきました。
骨伝導イヤホン。鼓膜が機能せず耳が聞こえなくても、耳たぶにつけたこのイヤホンが骨伝導で音を伝えてくれました。『聞こえる！！』聞こえなくなった右側からも音が伝わってくる！あの時の感動は、今でも忘れられません。
その後、治療を重ね私の右耳はだいぶ回復し、今では音も拾えるようになりました。（完全回復はできず、完治度５０%くらい）時々、体調が悪くなった時や、何かの拍子で、今でも突然閉塞します。その度に回復しないんじゃないかと、不安になったりもしますが、最初の頃よりは気持ちも落ち着き、『壊れている耳』と上手に付き合えるようになりました。気持ちまで塞いでいた当時の私は、この画期的なイヤホンのおかげで、大好きな音楽を再び聞き始め、楽しみ癒され、慰められました。
先日、この骨伝導イヤホンがとうとう動かなくなりました。沢山お世話になった骨伝導イヤホン、卒業です。今まで、私に寄り添って、励まし癒やしてくれて本当にありがとう。たくさんたくさんお世話になりました。時代は進み、骨伝導イヤホンも色々な種類が登場しているようです。今の自分の生活スタイルに合う２台目の骨伝導イヤホンを探したいと思います。
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